東京アスリート認定選手・インタビュー(22)川村怜選手(北区、港区) ブラインドサッカー(2017/12/25)

川村怜選手の写真 
【プロフィール】
  • かわむら・りょう 1989年2月13日生 アクサ生命保険株式会社/Avanzareつくば所属
  • 2014年 インチョンアジアパラ競技大会(韓国) 銀メダル
  • 2014年 IBSA世界選手権(東京) 6位
  • 2015年 IBSAソウルワールドゲームス(韓国) 5位
  • 2015年 IBSAアジア選手権(東京)4位
  • 他、2014年日本選手権MVP、2015年クラブチーム選手権MVPなど

日本代表のキャプテンとして、プレーで引っ張っていける存在でありたい。

【衝撃を受けたブラインドサッカーとの出会い】

5歳の頃、目の病気である「ぶどう膜炎」が見つかり徐々に視力が低下していった川村怜選手。しかし、活発な性格でほとんど視力低下による不自由さを感じることはなく、「サッカー選手になりたい」という夢を追いかけ、小学1年生の時に少年サッカーチームに所属。進学先の中学校がサッカー強豪校だったこともあり、サッカー部への入部は断念。陸上部で、短距離の選手として汗を流した。高校も陸上部に所属するも、心のどこかで「また、サッカーをやりたい」という思いは消えなかった。大学に進学し、フットサル部に入部。念願のサッカーを再開した。そんな時、在学している大学にブラインドサッカー部があると聞き見学に行った。そこで、アイマスクをし、目が見えていない状態で選手をかわしゴールを決める、とある選手に心が惹きつけられた。それが、日本代表の田村友一選手だった。
川村 怜選手の写真1 「軽い気持ちで見学に行ったのですが、見えていないはずの選手が、目の見えるゴールキーパーを相手にゴールを決める姿に衝撃を受け、感動したんです。すぐにブラインドサッカーに魅了され自分もやってみたい!と思いました。」


【ブラインドサッカーへの熱い思いと、続ける覚悟】

ブラインドサッカーを初めて体験した時、見えない恐怖心と、慣れない声の指示に戸惑うことばかりだった。そのため、当初はフットサルと掛け持ちをしながらプレーしていた。そんな中、突然川村選手はブラインドサッカーから離れた。
「ブラインドサッカーはアイマスクを着けてプレーをするため視界がゼロの状態になります。なので、中途半端な気持ちでプレーすると怪我をする確率もグンと増えるんです。そんな気持ちでプレーして怪我をしたら絶対に後悔する。そう思ったんです。やるからには、覚悟を決めて本気で取り組みたかった。でも、その覚悟を保てなくなった時期があって・・・一度ブラインドサッカーから離れようと思ったんです。」
一度競技から離れ、違う角度からブラインドサッカーと接する機会が増えた。そんな中、2009年に日本で開催されたアジア選手権の、日本vs中国の決勝戦を観戦。強豪中国を相手に、自分が尊敬していた選手ですら通用しない姿に衝撃を受けた。と同時に、自分も世界の舞台に立ちたいという思いが強くなった。
川村 怜選手の写真2 「練習や試合を観戦する中で、自分ならこういうプレーができるな。こういう動きをするな。など、自分のプレースタイルを想像出来るようになったんです。」心の中でくすぶっていたブラインドサッカーへの思いが大きくなってきていることに気づき、競技への復帰を決めた。


【東京2020パラリンピックに向けて、先ずは目の前の試合に勝つことを目標に】

2013年の3月、川村選手は日本代表選手として初招集。ブラインドサッカーを始めた頃は、まさか自分が日本代表になるとは思ってもみなかった。そして、現在はキャプテンとして、日本代表メンバーを引っ張っているチームの要だ。 川村 怜選手の写真3
「キャプテンに任命された時、今のチームを引っ張っていけるのは自分しかいないと思い、覚悟を決め承諾しました。僕は、特別リーダーシップがあるわけではないですが、プレーでチームを引っ張っていきたいという思いが強くありました。そのため、普段の生活やサッカーに取り組む姿勢をより意識するようになりました。」
日本代表キャプテンとして、東京2020パラリンピックにかける思いも強い。
「今は、東京2020パラリンピックで金メダルを取れるよう、チーム全員が同じ思いで日々苦しい練習を行っています。今後、アジア選手権・世界選手権も控えているので、まずは、目の前の試合に勝ち、東京2020パラリンピックまでに日本が世界のトップレベルのチームになれるよう頑張っていきたいです。」 川村選手の今後の活躍が楽しみだ。


【ブラインドサッカーの見どころ】

川村 怜選手の写真4

「ブラインドサッカーは、ボールのコントロールはもちろんですが、目が見えない選手へのガイドや監督、ゴールキーパーからの声の情報など”声かけ”がとても重要な競技だ。声かけといっても、試合中は選手の余裕がなくなり、指示が聞き取れないこともあるため、聞き取りやすい声の質や言葉選びなど、何がいいのか練習の中で積み上げていく。そして、言葉の指示は、時に駆け引きとして使うこともある。右から来るぞと相手が指示していたら、あえて逆の左へいったりなど、駆け引きの仕方も様々だ。なので、どういう指示で選手が動いているのか目ではなく耳で聞いて楽しんでもらいたい。


【川村選手の休日の過ごし方】

日本代表のキャプテンとして、日々チームを引っ張っている川村選手の休日の楽しみは”スポーツ観戦”。サッカーだけでなく、スポーツ全般が大好きで、休みの日は色々な試合会場に行っているんだとか。
「やっぱりスポーツは生で観戦するのが一番楽しいですね。会場の活気ある雰囲気や、選手のエネルギーが間近で感じられるので、ついつい応援にも熱が入ってしまいます。」そして、家では大好きなアーティストの歌をいつもかけて過ごしている。
「家では、リラックス出来るよう音楽をいつもかけています。特に”ミスターチルドレン”が大好きなので、ついついかける頻度が多くなってしまいます(笑)。」


【川村選手の試合前のルーティンワークと勝負飯】

試合前は、お笑い番組で気分をリラックスさせているという川村選手。
「以前は、試合前に音楽を聞いていたんですが、気分が高まりすぎてしまって(笑)。 
なので、最近は大好きなお笑い番組で、リラックス出来る状態を作っています。」と意外な一面も。
そして、マグロが大好きだという川村選手。そんな川村選手の勝負飯は”鉄火巻き”だ。しかし、試合前に生ものは禁物。なので、試合後のご褒美として鉄火巻きを食べるんだとか。
「普段は栄養面を考えた食事を心がけているので、鉄火巻きは試合後のご褒美に食べるようにしているんです。特に、試合に勝った後の鉄火巻きは格別に美味しいですね!」と笑顔で話してくれた。