【プロフィール】
はたけだ・ひとみ 2000年9月1日生 日体大荏原高等学校在学中/セントラル目黒所属
第69回全日本体操種目別選手権 (2015) 段違い平行棒4位
第70回全日本体操種目別選手権 (2016) 跳馬5位 / 段違い平行棒6位
第71回全日本体操種目別選手権 (2017) 段違い平行棒優勝 / 平均台4位 / 跳馬8位
NHK杯 個人総合 7位(2017)
カナダ国際 個人総合 優勝(2017)
スロバキア国際 個人総合 優勝(2017)
高校総体個人総合 3位(2017)
【プロフィール】
おおぐち・まな 2002年1月2日生 帝京高等学校在学中/大泉スワロー体操クラブ所属
第71回全日本体操種目別選手権 (2017) ゆか3位 / 平均台4位 / 跳馬7位
アジアジュニア選手権 個人総合 3位(2017)
スロバキア国際 個人総合 2位、種目別 跳馬・ゆか 優勝(2017)
【前編】
今回インタビューした東京アスリート認定選手は、体操競技の畠田瞳選手と大口真奈選手です。先日の世界体操競技選手権の種目別女子床運動で村上茉愛選手が日本勢初の金メダルに輝き、注目されている女子体操競技。
共に高校生で成長著しく、同世代をリードする存在になりつつある2人は、どのような選手なのか、前編後編にわたりインタビュー形式でお伝えします。
トップレベルで活躍する体操選手といえば、男子の内村航平選手や白井健三選手のように、ご両親の影響で小さい頃から競技をはじめているというイメージが一般的に強い印象がある。畠田選手と大口選手の体操競技との出会いはどのようなものだったのだろうか。
【畠田】私も両親が体操選手なんです。小さい頃から体操が身近にある中で生活をしてきたのですが、競技を始めたのは小学3年生でした。
すぐに競技を始められる環境にいたのに、競技開始年齢があまり早くなかったとは意外だ。ご両親からは競技を勧められなかったのだろうか。
【畠田】体操をすることは、子供の頃から公園で遊ぶことと同じくらい自然なことでした。なので、競技として取り組むという考えにならなかったんです。でも、小学3年生の道徳の授業で漫画の作者の半生を勉強したことがあって、その作者のように自分がこの先打ち込めるものは何かと考えたときに浮かんだのが体操でした。そのあとすぐに母に体操を始めたいとお願いしました。
道徳の授業がきっかけになるとは、畠田選手が何事にも真摯に取り組んでいたからこそ、思わぬことがきっかけで道が開けたのだろう。
では、大口選手はどのようなきっかけで競技をはじめたのだろうか。
【大口】私は4歳の時に母の勧めでスポーツクラブに入会し、体操と水泳を始めました。
大口選手のように幼い頃に習い事としてスポーツをはじめる人は多いが、なぜ水泳でなく体操を続けることを選んだのだろうか。
【大口】練習を重ねるごとにできる技が増えていきました。それがすごく嬉しくて、どんどん体操が好きになっていったんです。もっと上手くなりたいという思いが強くなってきたのがちょうど小学生になる時で。その時に、スポーツクラブから選手コースへ誘われたという事もあり、体操を続けることを選びました。
体操との出会い方も時期も違う畠田選手・大口選手だが、両選手とも小学生の時に自らの意思で体操選手となることを選択し、競技人生をスタートさせたのだ。
小学生という遊び盛りの頃から競技に打ち込んできた畠田選手と大口選手。当時からすでに体操の練習は週6日間行っていたそうだ。放課後や休日は遊びの誘惑も沢山ある中で、周りの友達と同じように遊べない辛さはなかったのだろうか。
【畠田】体操を始めた頃は、遊び感覚で技を覚えていたので、他の遊びを羨ましいという思いもなかったです。 新しい技が出来るようになる嬉しさと、もっと上手くなりたいという思いが強かったので、週6日の練習も辛くなかったです。 特に初めてバク転と宙返りが出来るようになった時はすごく嬉しかったです。
【大口】小学1年生の時は、みんなが楽しく遊んでいるのが羨ましくて、一緒に遊べないのが辛かったです。 でも、鉄棒での蹴上がり(※1)が苦手で中々できなかったのですが、出来るようになった時がすごく嬉しくて。 遊びたいという気持ちより、もっと体操が上手くなりたいという思いの方がこの頃から強くなってきました。
両選手とも、もっと上手くなりたいという向上心や、新しい技が出来るようになったときの喜びが、幼いながらも体操に打ち込んできた原動力だったようだ。
多くの体操選手がいる中で、畠田選手・大口選手は同世代をリードする存在として頭角を現している。果たして両選手の強みは何なのだろうか。
【畠田】幼い頃は父に鉄棒を教えてもらったり、体操の演技の真似をしたりして遊んでいました。 体操を始めてから気が付きましたが、体操の基本となる型が取り入れられた遊びだったんです。おかげでスタートは早くありませんでしたが、基礎は自然と身についていたみたいです。
指先まで意識された畠田選手の演技は、幼少期から積み上げてきたものなのだ。
【大口】体操を始めた頃は跳び箱も飛べず、スポーツクラブの周りの生徒よりも出来ない事が多かったです。でも、身体の柔らかさでは誰にも負けませんでした。 スポーツクラブの選手コースに入れたのも、この身体の柔らかさを認めていただけたからでした。
床の演技に定評のある大口選手にとって、柔軟な身体は大きな武器となっているようだ。
日々体操競技に打ち込む畠田選手・大口選手だが、練習の無い日はどのように過ごしているのだろうか。
【畠田】両親が体操経験者なので、アドバイスをくれる存在が身近にいるんです。その為、日々体操を万全の体調で行えるよう、 休日はストレッチをしたり、マッサージを受けたりなど、体のメンテナンスをしています。
【大口】手先が器用で細かなものを作るのが趣味なので、友達の誕生日に手作りのアルバムをプレゼントしたりしています。また、小さな兄弟の面倒を見たり一緒に遊んだりもしていて、楽しいですし気分転換にもなります。
家族の支えや友人の応援が、競技に打ち込む活力になっているようだ。
前編では、畠田選手・大口選手の体操競技との出会いや競技をはじめた頃のことなどをお聞きしてきました。
後編では、両選手の今季の活躍や、今後の目標などにも迫っていきます!
(※1)ぶらさがった状態から両足を蹴り上げるように鉄棒へ近づけ、おろす際の反動を利用して鉄棒上へ上がる技。逆上がりのように回転はしない。
体操競技についてもっと知りたい!!
https://www.2020games.metro.tokyo.jp/taikaijyunbi/taikai/syumoku/games-olympics/gymnastics/index.html
日本体操協会HP
http://www.jpn-gym.or.jp/