東京アスリート認定選手・インタビュー(6)牧野紘子選手(中野区・新宿区) 水泳(競泳) (2017/1/18)

~オリンピック・パラリンピックを目指すアスリートを応援~
【東京アスリート認定選手・インタビュー】


東京都では、東京のアスリートが、オリンピック・パラリンピックをはじめとした国際舞台で活躍できるよう、競技力向上に向けた支援を実施するとともに、社会全体でオリンピック・パラリンピックの気運を盛り上げるため、「東京アスリート認定制度」を創設しました。

このページでは、認定選手の皆さんに「スポーツを通して自分を成長させ、スポーツと社会のよりよい関係を考えていこう」というテーマで、インタビューをしていきます。

第6回 牧野紘子選手(中野区・新宿区) 水泳(競泳)
ライバルだけど仲間。
同世代と切磋琢磨しながら、
大舞台で活躍できるように、しっかり準備していきたい

牧野紘子選手の写真

まきの・ひろこ 1999年8月20日生まれ。東京大学教育学部附属中等教育学校在学中。所属チームは、東京ドーム。種目は個人メドレー、バタフライなど。世界ジュニア選手権6位(2013)、ジュニアパンパシフィック大会2位(2014)、日本高等学校選手権優勝(2015、2016)など。
東京都新春水泳競技大会(2017)の400m自由形で4:04.65の東京都短水路記録を樹立。


2度と同じ悔いを残さぬよう、「練習ノート」をつけ始める

リオデジャネイロオリンピックの出場がかかった、2016年4月の日本選手権。高校2年生の牧野紘子選手は、200m個人メドレーと、400m個人メドレーに出場し、両種目とも決勝には進んだものの、「派遣標準記録を突破した、日本選手権の上位2名」という条件をクリアすることができなかった。
4年前の中学1年生のときは、ロンドンオリンピック選考を兼ねた日本選手権の200m個人メドレーに出て、予選17位。準決勝にあと少し届かず、観客席に上がって決勝のレースを眺めることとなったが、そのときはまだ「ものすごい緊張感がある決勝だな」と思うぐらいで、よくわからないうちに大会を終えていたという。

練習中の写真

そして迎えた2度目のオリンピック選考大会。牧野選手の出場する種目には、前評判の高い社会人選手や大学生選手がおり、その選手たちを退けて代表入りすることを「頭のどこかで"難しい"と思っている自分がいました。それで、予選や準決勝まではしっかり泳げていたのに、決勝に焦点を合わせることができていなかった。今思えば、泳ぐ前に、気持ちの部分で負けてしまっていたと思います」。
悔しさは後から来た。国際試合などにいつも一緒に遠征していた同世代の高校生が4人、リオデジャネイロオリンピックの出場権を獲得したのである。
「けっこう泣きました。思い出しては泣き、悔しくなっては泣き。以前、世界ジュニアでメダルが取れなかったときも、いつも遠征が一緒の選手たちは皆、活躍していたのに、自分は結果を残せなくて。そのときも悔しくてかなり泣いたのですが、それ以来でした」。

悔しい気持ちを忘れないように、もう2度と同じことを繰り返さないように、大会後、しばらくしてから、「練習ノート」をつけるようになったという。「それまでは、日記も書いたことがなかったのですが、ノートにその日の練習の反省を書くことで、自信をつけたり、振り返ってみたり。同じ失敗をしないようにと、自分から始めました」。
リオデジャネイロオリンピックの後に行われた、夏のインターハイでは、牧野選手は200m個人メドレーも400m個人メドレーも、ともに大会新記録で優勝した。


水泳と勉強の両立を目指して、自ら中学を選んで進学

兄の通うプールについていき、泳ぎ始めたのは3歳のころ。小学校1年生のとき、大阪から東京へと転居して、近所のスイミングクラブに入会。2年生から全国JOCジュニアオリンピックカップの個人メドレー種目に出場。6年生のときは学童新記録を連発して注目を集めた。
同じクラブの先輩選手たちが出場した北京オリンピックのときは、小学校3年生だった。クラブのみんなとライヴでテレビを見ながら応援し、北島康介選手の金メダルに沸き、感動した。スポーツ観戦が好きだった牧野選手は、そのころから「いつかオリンピックに出られたらいいな」と思うようになったという。「小学生のころは泳いだら泳いだ分、記録が伸びるのが楽しくて、何のプレッシャーもなく泳いでいました」。

大会中の写真

中学は、「水泳だけでなく、勉強もしっかりやりたくて」、独自の6年一貫教育で知られる、東京大学教育学部附属中等教育学校に進学。好きな科目は数学。水泳の練習と勉強の両立は、まったく苦にならないという。学校が終わると、20時頃までクラブで練習。その後、帰宅して夕飯を食べてから、2時間ほど机に向かうことが、毎日の習慣となっている。
中学1年生の夏、全日本中学生選手権・個人メドレー2種目で優勝。アジア選手権の400m個人メドレーでも優勝したが、2年生になると、初めての壁にぶち当たった。泳いでも、泳いでもベストタイムが出ない。「すごく落ち込んで、私ももう終わりなのかなと悩みました」。現状から抜け出すために、環境を変えることを決断し、現在所属しているスイミングクラブに移籍。コーチを信頼して練習に集中し、同学年の選手の成長からも良い刺激を受け、少しずつ記録も伸び始めた。3年生では中学新記録も何度か塗り替え、全中や国体で優勝。国際試合では同世代と自由形のリレーを組み、中学新記録も樹立した。


ライバルであり、仲間である同世代たちと、切磋琢磨していきたい

東京オリンピックでの活躍が期待される、同世代のライバルスイマーたちが、大きくクローズアップされたこの1年。「負けたくないというより、みんながいい結果を出すと、自分もやってやろう!という気持ちになります。普段は仲がいいし、試合のときも、みんなの応援が聞こえるとモチベーションも上がる。泳いでいるときは一人ですが、支えてくださる人や一緒に頑張る仲間がいるので独りではないというか。所属チームの中高生は、みんな本当に仲が良くて、練習のときの雰囲気がすごく明るい。水泳は個人競技ですが、チームワークで高め合える面もあると思います」。
父親が所有するバスケットボールマンガの『スラムダンク』を全巻読んでいる。「選手同士が衝突して、ケンカもして、いろいろあるけれど、最後のところではチームが一つになっていく。勝てるわけがないと言われるチームを相手に、みんなの予想を覆して勝つのがすごいなぁと」。

競泳中の写真

今は練習がとにかく楽しいという。「苦しいこともあるけれど、私はやっぱり水泳が好き。泳いでいるときは、何も考えなくていいし、夢中で泳いでいるとストレスも発散できます」。
今年の目標は世界選手権に出ること。個人メドレーだけでなく、最近伸びている200mバタフライでも狙っている。「まだラストでバテてしまうという課題があるので、後半まで戦えるスタミナをつけたい。東京オリンピックまで、とにかく地道に努力して、できる準備を全部して、自信をつけていきたい。そしてメダルを取りたいです」。


強くなるためのキーワード

個人メドレー×競技と勉強の両立

個人メドレーとは、一人で「バタフライ→背泳ぎ→平泳ぎ→自由形」を泳ぐ種目である。200mと400mの2つの距離がある。1種目の練習でも大変だと言われるが、牧野選手は全部の泳法を日々練習している。また水泳だけではなく、勉強もしっかりやりたいと、進学先を自分で選び、練習で疲れていても、予習復習を欠かさない。いろんなことにチャレンジするのが好きな、オールラウンダー。貪欲な姿勢で得意なことも、苦手なことにも取り組んでいる。勉強では理数を得意とし、公民が苦手。泳法ではバタフライを得意とする。

東京×競泳

都内には、水泳のできる施設が多数存在する。当ホームページの「施設検索」で"水泳"と競技を選ぶと、東京全体で約260件の施設が一覧リストとして表示される。さらに地域を特定して検索すれば、通いたい地域の施設を探すことができる。

https://www.sports-tokyo.info/facility/


【スポーツを通して身に着けられるライフスキル】

幅広い分野の物事に興味を持ち、チャレンジすることで、それぞれから得たもの、気づいたことを、また違うものへと生かす応用力を磨いている。限られた時間の中で、様々なことに取り組んでいるので、時間の使い方もうまい。読書も好きということで、視野も広がる。日々たくさんのことを学び、人としての強さを磨いている。